いつもお世話になっております。
荻窪事業所、理学療法士のTと申します。
先日、ビーンスターク・スノー株式会社 ライフサイエンス事業部の山本崇様をお招きし、口腔ケアグッズの紹介と誤嚥性肺炎の予防における口腔ケアについて研修をしていただきました。
現在、日本人の死因第3位は肺炎です。それは高齢の方、さらに脳血管障害やパーキンソン病、糖尿病、認知症等の多くの疾患が肺炎に結びつきやすいからです。なかでも誤嚥性肺炎は重症化しやすく、実際、私の担当のご利用者様も肺炎によって休止・中止となってしまった苦い経験があります。そのため、今回の誤嚥性肺炎の基礎知識や口腔ケアの目的と意義、実際の準備・基本手順など多岐にわたる講義も、たいへん興味深く拝聴出来ました。
講義の中では特に、誤嚥しても咳反射の出ない、いわゆる不顕性誤嚥の対策の必要性を説いていらっしゃいました。歯垢中には1000億個/gもの菌が存在し、これは直腸の菌数とほぼ同じ(!)とのこと。さらに睡眠中の不顕性誤嚥が肺炎につながりやすいこと、口腔内のバイオフィルム(生物膜)はスポンジブラシだけでは落ちず、歯ブラシによるブラッシングが必要なこと等を学び、適時・的確な口腔ケアによる口腔内細菌の減少が、誤嚥性肺炎の予防に有用であると理解できました。
苦手意識が強く、看護師さんや言語聴覚士さんにお任せしてしまっていた口腔ケアですが、『安全・安楽・無理しない』の原則のもと、①まず加湿し、②スポンジブラシや粘膜ブラシによる粘膜ケアと歯みがきによる清掃を行い、③最後に保湿を行うという3ステップを正しく学ぶことができました。また、理学療法士としても、ケアの際の体位やポジショニングなどチームアプローチとしても介入出来る事を知りました。
今回の研修ではビーンスターク・スノー株式会社様より発売中の、口腔ケア用ジェルや口腔清拭シートのサンプルも数多くいただけたので、明日からの業務に役立てていきたいと思います。
ビーンスターク・スノー株式会社 山本様、有意義な研修を本当にありがとうございました。