こんにちは。
荻窪事業所、理学療法士の田中と申します。
11月17日、本社にて行われた「高齢者虐待」の研修に参加させていただきました。
はじめに、高齢者虐待に関する法律を都内の相談・通報数、報告内容や対応方法などの統計を交えて学びました。
虐待の種類は➀身体的虐待、②介護・世話の放棄・放任、③心理的虐待、④性的虐待、⑤経済的虐待に分類されますが、統計によると身体的虐待が最も多く、虐待に関する相談・通報件数は年々増加傾向とのこと。特に最近、メディアから悲痛なニュースをよく耳にしますが、都内の養介護施設従事者による高齢者虐待の相談・通報数も、7年間(平成19年から平成26年)で3倍以上にも膨れ上がっていることに驚きました。
また、グループワークでは実際の虐待事例を挙げ、背景にある社会環境や人間関係といった要因の抽出と考察、どのような関わり・支援があれば虐待が解消出来るかといった意見を出し合いました。各班の発表では、看護師や理学療法士といった専門性に特化した意見や、過去の経験に基づく解決への糸口など、参考になる意見交換が行えました。
高齢者虐待とは、「人としての尊厳を傷つける行為」であり、長期化すればその分被害は拡大してしまうこと。また、誰でもどこででも虐待は起こりうるという認識が必要であることも学びました。
平成18年に施行された『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』の中でも、私たち高齢者福祉に職務上関係のある者は、高齢者虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、早期発見に努め、速やかに市町村に通報するよう努めなければならないといった内容が明確に記載されています。
目の前に私たちが救える命があることを自覚し、実際に行動に移すことが、昨今の悲痛なニュースを減らす方法であるのだと、深く考えさせられた研修でした。