赤羽サテライトで拠点長をしています理学療法士の源啓介です。7月20、21日に開催されました「第6回日本在宅医療連合学会大会」でポスター発表をさせて頂きました。学会大会は千葉県の幕張メッセ国際会議場で開催され、日本全国から在宅医療に関する多職種の方が参加されていました。
発表のタイトルは「胃ろう造設者への在宅での肺炎予防の取り組み~多職種連携の取り組み~」です。
摂食嚥下障害により経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を施行し在宅療養される訪問看護利用者様は少なくありません。PEGは簡便かつ安全性の高い胃瘻造設法として広く汎用されますが、合併症として下痢や嘔吐、胃食道逆流があげられ不顕性誤嚥により高い確率で肺炎を起こしていると報告があります。また、投与時間中は目が離せないという家族への時間的束縛・下痢や瘻孔からのもれの確認など介護負担などPEGによる家族への影響も大きいです。
介入時、対象の利用者様は老々介護でありPEGの手技不十分、下痢によりオムツや寝衣交換が頻回で介護負担が顕著でした。ベッド上での臥床時間が長く、臥位姿勢不良により口を閉じることが難しく口腔内の衛生環境が不良な状態を確認しました。
アプローチとしては療法士が口の開け閉め機能に関する骨格や筋のアライメント(骨・筋の配列)修正や、趣味活動を通した車いす乗車により離床の促し。看護師は口腔ケアなどの衛生面改善や半固形栄養剤への変更、他職種連携による経口摂取移行へのアプローチを実施しました。
アプローチにより
①常に開いていた口が閉じることが可能となり、唾貯留の改善・痰の吸引回数の減少
②ご家庭内やデイケアでの協力もあり、アイスやゼリーなどをむせなく摂取可能
③半固形栄養剤の変更により、栄養剤投与時間の短縮
④ご家族もご自身の時間を持 て看護師、療法士双方と多職種の協働により看護問題が解決でき、利用者様へのサービスの品質向上につながりました。
発表中は多くのギャラリーの方にご参加と、座長の医療法人はちのへファミリークリニックの小倉和也先生にもご質問頂き今後の活動の学びとなりました。
様々なシンポジウムや講演を拝聴し、医療関連のメーカーさんとも交流でき有意義な時間となりました。
今後も、今回の取り組みを通して地域医療の品質向上に寄与できるよう活動してまいります。